プログラムdeタマゴ

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Javaで始める画像処理ーフィルタをかける

もうすでに何度もこのブログでは当たり前の様にフィルタ処理〜とかたたみ込み〜とか言っていますが、今後の記事の内容のために、ささっとまとめておきます。


フィルタをかける

 フィルタをかける操作って言うのは、「フィルタの値×ピクセルの値」を各フィルタの値に対して計算して、それらを足し合わせます。これを全ての画素についてやっていくのです。言葉だとなんだかよくわかりませんから、画像で説明します。

 下の画像で、青いピクセルに、3×3の大きさのフィルタをかける時を考えます。この時フィルタをかけた後の青いピクセルの値は「a×+b×+c×+....」と計算されます。


端はどうするの?

 上の図で言うと、青いピクセル以外のピクセルだと、フィルタをかけるためのピクセルが足りません。この時は「処理しない (元の画素の値をそのまま結果とする)」か「画素の値を補間する」か、「フィルタのサイズを適宜変更する」の中のどれかを利用します。

 画素の値を補間するには

  1. 黒(0)や白(1)で補間する
  2. 最も近い画素の色で補間する
  3. 画像をループまたはミラーしているものと扱う

などがあります。
 フィルタのサイズを変更するときは、たとえばフィルタの値の総和が1である、などの縛りがある場合、それに合うように値を書き換える必要があります。


たたみ込みって何じゃ〜

たたみ込みって単語を聞くだけで頭痛が………という人もいるかもしれませんが、大して難しくありません。畳み込みって言うのは関数fと関数gを合成して新しい関数f*gを作る操作です。
連続系では
f\ast g(x)=\int_{-\infty}^\infty f(t)g(x-t)dt
離散系では
f\ast  g(x)=\sum_{t=-\infty}^\infty f(t)g(x-t)
っていう形になります。二次元では
f\ast  g(x,y)=\int\int f(t,k)g(x-t,y-k)dtdk
f\ast  g(x,y)=\sum_{t}\sum_{k}f(t,k)g(x-t,y-k)
となります。(範囲の-∞〜∞は省略しました)

まぁ、難しいことは考えず、こういう定義なんだ〜と盲目的に受け入れてしまえばいいでしょうヽ( ・∀・)ノ

フィルタをかける作業も畳み込み

 再度下の図を見てください。

 「a×+b×+c×+....」という式をもうちょっと見通しをよくしましょう。
青いピクセルを原点とした画像の位置(x,y)の画素の値をf(x,y)、eを原点としたフィルタの位置(x,y)の値をg(x,y)としましょう。すると、
「f(-1,-1)g(-1,-1)+f(0,-1)g(0,-1)+f(1,-1)g(1,-1)+f(-1,0)g(-1,0)+f(0,0)g(0,0)+f(1,0)g(1,0)+f(-1,1)g(-1,1)+f(0,1)g(0,1)+f(1,1)g(1,1)」
となります。簡潔に書くと
\sum_{x}\sum_{y}f(x,y)g(x,y)
ですね。ここで、少しだけ関数gの見方を変えてみます。
g'(x,y)=g(-x,-y)
座標変換してみましょう。そうすると、上の式は
\sum_{x}\sum_{y}f(x,y)g'(0-x,0-y)
と書き換えることができます。ここで、g'(0-x,0-y)にわざわざ出てくる0は青いピクセルの座標を表します
 そう、つまり、これは関数fと関数g'の畳み込みってことなんですね。
 今回以降の記事では
\sum_{x}\sum_{y}f(x,y)g(x,y)
の形状の式も、フィルタをかけるという作業に関しては(座標変換すれば)畳み込みであると扱います。(だから噛みつかないでね(`・д´・ ;) )



 ふぅ、これで今回の記事で一番大切なことはいえた(´・д・`)



画像処理で重要な畳み込みの性質

フーリエ変換すると単にかけ算になる

非常に有名な性質ですね。畳み込みをフーリエ変換すると、合成する関数をフーリエ変換した物の積になります。
\mathcal{F}\{f\ast g\} = \mathcal{F}\{f\}\mathcal{F}\{g\}

畳み込みと微分の演算は可換

 証明は省きますが、
\frac{d(f\ast g)}{dx}=\left(\frac{df}{dx}\right)\ast g = f\ast\left(\frac{dg}{dx}\right)

というのも、重要な性質です。


しまった、理論の話ばっかりでJava関係ねぇ!(`・д´・ ;)
でも行数も長くなってきたので、今回はここまで…。